こんにちは、栃木県栃木市で注文住宅を手がけている松本住建です。
私たちは、単に図面通りに家を建てるだけの会社ではありません。住まいという大切な器を通じて、お客様のこれからの豊かな人生を支えること、性能だけでなく、お客様それぞれの「らしさを」カタチにすることを大切にしている工務店です。
6月に入り、これから家電量販店へエアコンを買いに行く、という方も多いのではないでしょうか。「リビングが20畳だから、20畳用のエアコンを買おう」
その時に、ちょっとだけ知っておいていただきたい大切なお話があります。
実は、「一般的なお家」と、私たちが建てているような「高性能な住宅」では、エアコンの選び方が全く違うんです。
「リビングが20畳だから、20畳用のエアコンを買おう」と、お店の表示通りに選んでしまうと、実は本体代金も、毎月の電気代も、少しもったいないことになってしまうかもしれません。
今回は、カタログには載っていない「エアコンの畳数表示のちょっと不思議な裏側」と、本当に損をしない選び方についてお話しさせていただきます。
1. エアコンの「畳数目安」に隠された、昭和39年の化石ルール
なぜ、お店の表示通りに買ってはいけないのでしょうか。理由は、エアコンのカタログに載っている「〇〇畳用」という基準が作られた時代にあります。
この基準、実は今から60年以上前、昭和39年(1964年)に制定されてから、基本的なルールがほとんど変わっていません。当時の日本の家には断熱材なんてほとんど入っておらず、隙間風が吹くのも当たり前の時代でした。
つまり、エアコンの「〇畳用」という表示は、もともと「断熱材がほとんどない、昔ながらの木造住宅」を冷やすためのパワーをベースに計算されているんです。現代の、それも松本住建が建てる高い断熱性能を持った家は、一度冷やした空気をしっかりキープできる「大きな魔法瓶」のような空間です。それなのに、昭和のまま止まっている基準でエアコンを選んでしまうと、お家に対してあきらかに過剰で、大きすぎるエアコンを設置することになってしまいます。
2. 大きすぎるエアコンは「百害あって一利なし」
魔法瓶のような高性能住宅に大きなエアコンを取り付けると、実はデメリットしかありません。
- ON/OFFの繰り返しで電気代が跳ね上がる:エアコンが最も電気を消費するのは、起動してフルパワーで動く瞬間です。大きすぎるエアコンは一瞬で部屋を冷やしてしまうため、「ついては消え、ついては消え」を頻繁に繰り返します。これが、夏の電気代を無駄に高くする原因になります。
- 部屋がジメジメしてしまう:パワーが大きすぎるエアコンは、空気中の水分を十分に絞り出す前に室温だけを下げて運転を止めてしまいます。その結果、「温度は低いけれど、湿度が下がらずに肌寒い、ジメジメする」という不快な部屋になってしまいます。
- 購入費用(初期費用)が高すぎる:エアコンは「14畳用」や「20畳用」を超えたあたりから、本体価格が一気に跳ね上がります。性能が良いお家であれば、本来は高いお金を払って大きなエアコンを買う必要は全くありません。
松本住建の家なら、20畳のLDKであっても、10畳用や14畳用といった「3ランク下」のエアコンで、十分に家全体を心地よい涼しさで満たすことができます。
3. 量販店で迷わない!エアコンカタログの「6つの正しい見方」
売場の大きな「〇畳用!」という文字ではなく、カタログの仕様表に書かれている数字から、エアコンの「本当の燃費と能力」を見極めましょう。

- ① 適用畳数(おもに〇畳用):想定している部屋の広さの目安ですが、これは「昭和39年の無断熱の家」基準です。高性能住宅では、この数字通りに選ぶと過剰な大きさになります。
- ② 品番:型番の中に「22」なら2.2kW(6畳用)、「40」なら4.0kW(14畳用)というように、エアコンの基本パワー(定格能力)を表す数字が含まれています。
- ③ 冷房・暖房の目安(畳数の目安・能力・消費電力):
・畳数のめやす:「6〜9畳」は6〜9畳用という意味ではなく「木造南向きなら6畳、鉄筋コンクリートなら9畳まで」という意味です。
・能力(kW):カッコ内の左側の数字(最小値)に注目してください。一度冷えたら温度を逃がさない高性能住宅では、この最小値が小さければ小さいほど、小さなパワーで弱運転を維持し続けられる燃費の良いエアコンになります。
・消費電力(W):ここもカッコ内の左側の数字が小さいほど、お部屋が冷えた後に少ない電気でトコトコと効率よく動き続けられます。 - ④ 期間消費電力量(kWh):1年間に消費する電気の量の目安(車の燃費表示と同じ)です。この数字が小さければ小さいほど、実際の電気代がかからない省エネなエアコンです。
- ⑤ 省エネ基準達成率・通年エネルギー消費効率(APF):APFは「エアコンの通信簿」となる効率の数字です。数字が大きいほど省エネで、最新機種なら「6.0」や「7.0」を超えているものが非常に優秀です。
- ⑥ 低温暖房能力:外の気温が2℃まで下がったときの暖房の最大パワーです。冬の寒さが厳しい栃木市において、エアコン暖房を効率よく効かせるためにとても重要な数値になります。
4. カタログの畳数ではなく、お家の「性能表示(UA値)」で選ぶ
これからは、売場のポップを見るのではなく、お家の「断熱性能表示(UA値)」を基準にして選ぶのが正解です。
注文住宅を建てる際、そのお家がどれくらい熱を逃がさないかを表す「UA値(外皮平均熱貫流率)」という性能報告書が必ず発行されます。私たち工務店は、このUA値や建物の大きさ、窓の向きなどから、「このお家は、真夏にどれくらいの熱が侵入してくるか(熱損失量)」を一棟一棟計算しています。
その計算をベースにエアコンを選ぶと、カタログで「20畳用」と書かれている部屋でも、実際は「10畳用のままで、静かに、効率よく家全体を冷やし続けられる」という正確な答えが導き出せるんです。
5. 「小さなエアコン」を活かしきる、現場の大工たちの丁寧な手仕事
ただし、計算通りにエアコンのサイズを安心して下げるためには、とても大切な条件があります。それが、お家の「気密性能(C値=すき間の少なさ)」です。どれだけ設計上の断熱性能(UA値)が良くても、現場の施工にすき間がたくさんあったら、せっかくの冷気が外へ逃げてしまいますよね。
だからこそ、松本住建の職人たちは、目に見えないミリ単位のすき間を徹底的に塞ぐ「C値0.4c㎡/㎡以下」という高い気密精度を全棟、一棟一棟, 丁寧な手仕事で守り続けています。現場で大工たちが誠実にすき間を処理していく。この施工の積み重ね(C値)と、事前の正しい計算(UA値)があって初めて、私たちは自信を持って「大きなエアコンは買わなくても大丈夫ですよ」とお伝えすることができます。
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