
令和8年(2026年)9月1日、有限会社松本住建は第60期という節目となる新しい期を迎えました。 そして、この家づくりの歩みを書き綴ってきたブログも、今回の更新で記念すべき第50話を迎えることとなりました。
今から約60年前、私の祖父が小さな作業場で大工道具を手にしてから始まったこの歩み。
これまで私たちを信頼して大切な住まいづくりを託してくださったご家族、どんな時も現場で力を尽くしてくれた職人の仲間たち、そして地域で温かく支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
前回の第49話では、私たちがかつて陥っていた「大手メーカーとの安さ比べ」の苦しみと、そこから抜け出して本当に強い家をつくる会社へと生まれ変わるまでの道のりをお話ししました。
今回の第50話では、60期という節目をスタートラインとして、ここから先の40年、つまり100期に向けて私たちが何を目指し、栃木市で暮らすご家族へどんな未来をお届けしていくのか、まっすぐな想いをお伝えします。
1. 祖父の大工道具から始まった60年。私たちが手に入れたブレない「芯」
松本住建の歴史は、昭和42年(1967年)に祖父が栃木市で小さな大工工務店として立ち上げたところからスタートしました。
木くずが舞い散る作業場で、一本一本の木の癖を見極めながら大工道具を握りしめ、手作業で木を刻んでいた時代です。 その後、修業を終えた父が加わり、親子で現場を守り続けてきました。
平成の初めには、手作業の良さを活かしつつ、工場で木を正確に加工する機械加工(プレカット)をいち早く取り入れ、作業の正確さとスピードを向上させました。
しかし、時代の流れとともに栃木の街にも大手ハウスメーカーが次々と進出し、華やかな宣伝と営業力でお客様を集めるようになりました。
地元の小さな工務店だった私たちは、その勢いに圧倒され、対抗するために「安さ」で勝負する道を選んでしまったのです。
「あそこより、うちのほうがもっと安く建てられる」
他社の見積もりを見てはそれより少し低い金額を提示し、自分たちの利益を削りながら耐え忍ぶ日々。 現場を動かすことだけに追われ、お客様から「松本住建さんって、どんな家をつくる会社なんですか?」と聞かれても、胸を張って一言で答えられない苦しさを抱えていました。
真面目に釘を打ち、丁寧に柱を立てているのに、会社としての明確な「芯」がない。
安さだけで選ばれる家づくりを続けていては、どんなに歯を食いしばってもいつか立ち行かなくなってしまうという強い危機感がありました。
その苦い経験と、その後の水害の復旧作業で傷ついた家々を目の当たりにした出来事が、私たちの目を覚まさせました。
「住まいは、住む人の命と暮らしを何十年も守り続ける最後の砦でなければならない」 「目先の安さで競い合うのではなく、この栃木の気候にぴったりの、どこよりも強くてあたたかい家をお届けすることこそが、地元の工務店としての本当の使命だ」
そう決意した私たちは、価格の競争からきっぱりと抜け出し、『地域で一番の高性能住宅とパッシブデザインを提供する工務店』へと大きく舵を切りました。 祖父が遺してくれた大工の誇りを受け継ぎながら、現代の科学と確かな構造計算を取り入れる。
遠回りをし、悩み抜いた60年があったからこそ、私たちは何があっても揺らぐことのない強い「芯」を手に入れることができたのです。

2. なぜ私たちは『許容応力度計算による耐震等級3』にこだわり続けるのか
家を建てるとき、多くの方が「地震に強い家にしたい」と願います。 日本全国どこにいても大きな地震の不安がつきまとう昨今、住まいの強さは決して妥協してはならない基本中の基本です。
しかし、住宅業界には一般の方にはあまり知られていない大きな盲点があります。 それが「耐震等級の確かさ」です。
「耐震等級3」という言葉に隠された2つの基準
カタログやホームページに「耐震等級3」と書かれていても、実はその強さを確かめる計算方法には2種類が存在します。
- 壁量計算などの簡易計算:主に木造2階建て住宅で広く使われている、簡易的な計算方法。建物の重さに対して必要な壁の量を大まかに確認するだけで、柱や梁の一本一本にかかる力までは詳しく確かめません。
- 許容応力度計算(構造計算):立体的な図面をもとに、地震の揺れや強風によって建物のあらゆる部材にどれだけの力がかかるかを、パソコンで何百ページにもわたって精密に検証する最も確かな計算方法。
簡易計算による「耐震等級3相当」と、許容応力度計算によって確かめられた『本物の耐震等級3』では、建物の安全性に大きな差が生まれます。
どれほど腕の良い大工が頑丈そうに柱を組んだとしても、建物のバランス(偏心率)が崩れていたり、上下階の柱の位置(直下率)がずれていたりすれば、大きな揺れが加わったときにねじれるような力が働き、思わぬ被害を受けてしまうことがあるのです。
一度きりの揺れに耐えるだけでなく「住み続けられる家」をつくる
私たちが目指しているのは、大きな地震が起きた瞬間に「倒壊しなければいい」という家ではありません。 地震が収まったあとも、建物に狂いがなく、そのまま家族が住み慣れたわが家で安心して暮らし続けられる家です。
避難所での不自由な生活を強いられることなく、大切な家族のプライバシーを守り、普段通りの暮らしを取り戻すことができる。
それこそが、家という器が果たすべき本当の強さです。
有限会社松本住建では、建てるすべての住まいにおいて、一切の妥協なく『許容応力度計算による耐震等級3』を標準仕様としています。
基礎の鉄筋の太さや間隔、柱と梁をつなぐ金物の種類、床の水平な強さに至るまで、すべてを緻密に計算し、図面通りの施工を現場の大工がミリ単位の精度で組み立てていきます。
壁の中に隠れてしまえば見えなくなる部分だからこそ、どこまでも正直に、確かな根拠を持ってつくりあげる。
これが、私たちがお客様にお約束する1つ目の安心です。

3. 栃木の四季を心地よく暮らす。『断熱等級6×パッシブデザイン』の心地よさ
栃木県栃木市は、自然豊かで暮らしやすい素晴らしい街ですが、住まいにとってはなかなか手ごわい気候を持っています。
夏は最高気温が35℃を超えるような猛烈な暑さが続き、強い西日が容赦なく照りつけます。
一方で冬になると、乾いた冷たい季節風(赤城おろし)が吹き荒れ、朝晩は氷点下まで冷え込みます。 夏は蒸し風呂のように暑く、冬は廊下や脱衣所が凍えるように寒い——かつての日本の家では「気候だから仕方がない」とあきらめられていたこの温度差が、実は家族の健康に大きな影響を与えていました。
家全体をすき間なく包み込む「魔法瓶のような住まい」
この厳しい気候を心地よく乗り越えるために、私たちが選んだのがSW(スーパーウォール)工法による『断熱等級6』の家づくりです。
断熱性能を高めるとは、家全体を高性能な断熱材ですっぽりと包み込み、まるで保温機能の高い魔法瓶のような状態をつくることを意味します。
- 部屋ごとの温度差をなくす:リビングはもちろん、廊下、トイレ、お風呂場まで家全体の温度がほぼ一定に保たれます。冬場の入浴時に起きやすいヒートショックのリスクを大きく減らし、高齢のご家族も安心です。
- 朝の目覚めが変わる:真冬の寒い朝でも、布団から出るのが苦になりません。夜の暖かさが朝まで残っているため、暖房をつけて部屋が温まるのをじっと待つ必要がなくなります。
- すき間を徹底してなくす施工(高気密):どんなに良い断熱材を使っても、家にすき間があっては冷たい隙間風が入り込み、温かい空気が逃げてしまいます。松本住建の大工たちは、配管の周りや窓枠の小さなすき間まで一箇所ずつ丁寧につぶし、高い気密性を確保します。
自然の力を賢く味方にする「パッシブデザイン」
私たちは、単に断熱材を厚くし、エアコンなどの機械に頼り切る家づくりを目指しているわけではありません。
太陽の光や熱、そして自然の風といった「自然の恵み」を計算して取り入れるパッシブデザインを大切にしています。
- 長い屋根のひさし(深い軒):太陽が高い位置にある真夏は、長いひさしが強い日差しを遮り、室内の温度上昇を防ぎます。
- 冬のあたたかい陽だまり:太陽が低い位置を通る冬は、南側の大きな窓から部屋の奥深くまで光を招き入れ、自然の熱で部屋全体をじんわりと温めます。
- 風の通り道を考えた窓の配置:春や秋の心地よい季節には、窓を開けることで栃木の爽やかな風がすっと家中を通り抜けるように、空気の流れを設計します。
大工としてこの街の土地を見つめ、どの方向から陽が昇り、どんな風が吹くのかを知り尽くしているからこそ、機械に頼りすぎない心地よい住空間をつくり出すことができます。
夏は木陰にいるように涼しく、冬はひなたぼっこをしているようにあたたかい。
エネルギーを無駄遣いせず、毎月の光熱費をしっかり抑えながら、家族がずっと健康で笑顔に過ごせる住まいをお届けします。

4. 無理な背伸びをしない。『地に足のついた賢い選択』をご提案する理由
人生で一番大きな買い物と言われる家づくり。 住宅展示場に足を運ぶと、見たこともないような広々としたリビング、豪華な最新設備、洗練されたインテリアが並び、誰もが心を躍らせます。
しかし、そこで夢を大きく膨らませた結果、自分たちの身の丈に合わない予算を組んでしまい、家を建てたあとの暮らしで苦しんでしまうご家族が少なくありません。
家は「建てて終わり」ではなく「建ててからの暮らし」が本番
私たちは、お客様に無理な背伸びをさせるような家づくりは決しておすすめしません。
立派な家が完成しても、毎月の住宅ローンの返済に追われて心に余裕がなくなったり、家族での旅行や趣味の時間を我慢したり、子どもの進学の選択肢を狭めてしまったりするのでは、何のために家を建てたのか分からなくなってしまうからです。
住まいとは、家族が幸せに暮らすための舞台であって、生活を圧迫する重荷になってはなりません。
大手ハウスメーカーのように、莫大なテレビ広告費や豪華な展示場の維持費をかけると、その費用はすべて建物の価格に上乗せされてしまいます。
私たち有限会社松本住建は、派手な宣伝を行わず、無駄な経費を徹底して削ぎ落とした街の工務店です。 だからこそ、大手と同じ、あるいはそれ以上の最高水準の性能(耐震等級3・断熱等級6)を持ちながら、手の届く適正な価格で住まいをご提供することができます。
家族の将来を見据えた、賢い資金計画
背伸びをしない家づくりとは、決して「何でも安く済ませる」という意味ではありません。 最初にかけるべき部分にはしっかりとお金をかけ、無駄な部分は上手に省くという『地に足のついた賢い選択』をすることです。
- 構造や断熱には惜しみなく投資する:あとから壁を壊して直すことが難しい骨組みや断熱性能にはしっかり予算を使い、地震への備えと毎月の光熱費削減を確実に手に入れます。
- 広さにこだわりすぎない:ただ坪数を広くするのではなく、無駄な廊下をなくした効率的な間取りや、家族の動線に合わせた収納計画を工夫することで、コンパクトでも広々と暮らせる空間をつくります。
- 将来のメンテナンス費用を抑える:耐久性の高い外壁や屋根材を選ぶことで、10年後、20年後にかかる塗り替えや修繕の費用を大幅に抑えます。
浮いた予算で、栃木市ならではの広々とした敷地を手に入れたり、休日に家族でバーベキューができる庭やウッドデッキをつくったりする。 日々の暮らしにゆとりを持ちながら、何十年先も笑顔で暮らせる資金計画を一歩ずつ一緒に進めていくこと。 それが、私たちの考える誠実な家づくりのあり方です。
5. 次の100期へ。有限会社松本住建が栃木市のご家族と交わす「5つの約束」
第60期という節目を迎え、私たちは次の100期という未来に向けて歩みを進めていきます。
今から40年後、松本住建が100期を迎えるとき、私たちはどんな工務店でありたいか。
その道しるべとして、栃木市で家を建てるご家族へ向けた5つの約束をここに誓います。
約束1:見えない構造と性能に、どこまでも正直であり続けること
全棟での『許容応力度計算による耐震等級3』と『断熱等級6』を、これからも絶対に譲らない標準仕様として貫きます。 「安く見せるために構造の計算を省く」「流行りのデザインを優先して断熱の手を抜く」といった妥協は一切いたしません。 家族の命を預かる住まいだからこそ、壁の中の見えない部分にどこまでも正直に向き合い続けます。
約束2:栃木の風土に寄り添う、美しく飽きのこないデザインをつくること
蔵の街・栃木市の歴史ある街並みや、周囲ののどかな田園風景に自然と調和する、落ち着いた和モダンやシンプルモダンのデザインをご提案します。
奇抜で一時的な流行を追うのではなく、30年、40年と時が経つほどに味わいを増し、街の風景の一部として愛され続ける美しい佇まいを形にします。
約束3:車ですぐに駆けつけられる距離感を守り、生涯のパートナーであること
会社の規模をいたずらに全国へ広げることはいたしません。
私たちが大切にするのは、何か困ったことがあったときに、30分から1時間以内にすぐ駆けつけられる距離感です。
家は完成した瞬間がゴールではなく、そこから始まる長い暮らしのスタートラインです。
蛇口の水漏れひとつ、台風のあとの点検ひとつから、気軽に声をかけていただける「街のかかりつけ工務店」であり続けます。
約束4:伝統の大工技術を守り、確かな手仕事を次世代へつなぐこと
祖父から受け継いできた大工の道具と手仕事の精神は、私たちの最も大切な宝物です。
どれほど機械化やAIが進んでも、最終的に木と木を狂いなく組み上げ、現場の気密を丁寧に処理するのは職人の手です。 私たちは、若い世代の大工を自社で育て、手仕事の確かな技術を次の世代へと継承していくことで、100期になっても変わらない施工品質を守り続けます。
約束5:ご家族の幸せな時間を第一に考え、無理のない家づくりを支えること
私たちの仕事は、単に家という建物を売ることではありません。
その家の中で、ご家族が笑顔で語り合い、子どもたちがすくすくと育ち、安心して年齢を重ねていける幸せな時間を支えることです。
お客様の予算や暮らしの価値観に寄り添い、背伸びをしない『地に足のついた賢い選択』を一歩ずつ共に考え、誠実に寄り添い続けます。
6. 家は家族の歴史を刻む場所。栃木の街とともに歩む未来
木造の家には、特別な温もりがあります。
祖父が柱を立てた家で、かつて幼かった子どもたちが大きくなり、やがて親となって自分の子どもを連れて帰ってくる。 柱についた背比べの傷跡や、家族で囲んだリビングの床の味わい深い色合い。
住まいは単なる雨風をしのぐ箱ではなく、家族が過ごしたかけがえのない時間を記憶し、静かに寄り添い続ける器です。
有限会社松本住建が創業から60年という長い年月を歩んでこられたのは、この街で暮らすご家族が、私たちを信じてその大切な器づくりを任せてくださったからです。
お客様と交わした握手、引き渡しの日のご家族のあふれる笑顔、そして「松本住建さんで建てて本当によかった」という温かいお言葉の数々。
その一つひとつが、私たちの胸の中で消えることのない誇りとなっています。
第60期という節目、そしてブログ第50話という区切りは、私たちにとって過去を誇るためのものではありません。 今日まで支えてくださった地域の皆さまへの深い感謝を胸に刻み、次の100期に向けて新たな一歩を踏み出すためのスタートラインです。
時代がどれほど移り変わっても、最新の技術を取り入れながら、大工の誠実な手仕事とご家族への真心を決して忘れない。
栃木市で一番頼りにされ、一番安心して家づくりを相談できる工務店を目指して、私たちはこれからも一歩ずつ歩みを進めてまいります。

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松本住建では、栃木市で家族が安心して暮らせる高性能住宅の見学会や無料相談会を定期的に開催しています。
- 「大きな地震が来ても本当に安心できる強い家をつくりたい」
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